数多くのルアーマンが押し寄せる「磯」のルアーゲームでは、青物やヒラスズキを中心にイカ、メバル、アジなどいろんな魚を狙う事ができます。

磯の釣りは、ライトゲームからショアジギングまで、難しくて危険で、そしておもしろい釣りです。
実際に魚を手にした時には、この上ない喜びさえもあるよね。

その磯での釣り方やターゲットは、実に様々ですが、今回「磯」というフィールドを安全に楽しみ尽くせるように、「5つの磯の鉄則」をまとめてみました。
初めて磯で釣りをするビギナーの方も、既に磯で釣りをしている方も、改めて参考にしていただけると幸いです。
磯釣りで注意したい5つの鉄則
①磯の風
磯といえば、荒磯の王者「ヒラスズキ」というくらい、磯のフィールドの代名詞となっていますが、そんな磯ヒラスズキを釣るために「サラシ」が重要とされています。
サラシが広がるまでの過程が、磯ゲームの内容に大きく関わってきます。
その大きな要因となるのが、「風」です。
その「風」を見切る必要があります。
基本的に、シケ状態である海へいくのですから、危険が伴わない訳がありません。まず、「今ここからシケ上がるのか」、「今ここからシケが収まってくるのか」、これらを見極めることが、安全で快適な釣りと、その日の釣果に大きく関わってくることになります。

風の有無を判断することができれば、この後何時間釣りができるか把握する事ができ、一日の釣りのペースを組み立てることが可能になります。
そして、風が連れてく来てくれるのが「ベイト」です。
ウネリだけのサラシとは根本的に全く違います。
餌が寄せられる風のサラシの方が、ウネリで濃く差し込むサラシよりも魚にとっては良いので、ウネリだけのサラシよりも安定しています。
②磯の逃げ場
磯での釣りにおいて、「逃げ場」を確保しておくことは非常に大切な事です。
海域にもよりますが、5回に1回や12回に1回と呼ばれる大きなウネリの周期があり、波にさらわれないように、ぴょんと跳んで逃げる場所を見つけておきましょう。

釣りに集中していると周りが見えなくなりがちになりますので、その為にもウネリが視界に入ったときの安全地帯を前もって用意しておくのも、立派な釣りのテクニックです。
③磯の地形
後ろが断崖絶壁の形の磯の場合、バックキャストのスペースが限られたりしますが、総じてこの手の崖の下には、真っ平な足場の磯が多いです。

千畳・千畳敷などと呼ばれる磯ものがこういったところに多いです。
水中も背後の崖のように、ストンと切り落とされた階段状になっている磯場では、魚が付く、付かないの差が激しく、群れが入っていない時は何もいないことが多いです。
このような場所では、後ろに逃げ場がないので、もし万が一、波が乗り越えてきた場合、波にさらわれてしまうことになりかねません。

とにかく、シケ上がる前に帰ることを徹底して意識しましょう。
磯の形状からどんな危険があり、どんな点に注意して釣りをすることが必要か、その磯ごとの特徴やパターンを見出していきましょう。
④磯の潮位
磯というフィールドで大切な潮位ですが、海水面の高さでおおまかな波の立ち方やサラシ具合が変わってきます。
ウネリの大きさ次第では、全く釣りができなくなるケースもあるので、風の吹き続けた時間と波の上がり具合との相関関係にも気を付けましょう。

大潮と小潮など普段の満潮とは違う高さまで水位が来ることもあるから注意だね。
とにかく油断はせずに潮位は確実に把握しなければなりません。

岩が見え隠れするポイントを複数目視で確認しておけば、潮位の変動はわかりやすいかも。
⑤磯の装備
基本的に足場が悪く、勾配がきつい磯では、転倒する危険も常に持ち合わせています。万が一、転倒した場合には、露出している部分が少ない方が、怪我は少ないですよね。
最低限これだけは、装備しておいた方がよいものをまとめてみました。
・ライフジャケット
・キャップ、ニット
・グローブ
・長袖
・磯シューズ
この中でも、ライフジャケットは必ず着用してください。
膨張式ではない、浮力材の入ったものが、転倒時にはクッションとなりダメージを大幅に低減してくれるというメリットがあります。
また、磯シューズは、シューズの裏を交換できるものをおすすめします。
フェルト+ピンというタイプのものは、意外にも磯では滑りやすく、単純にピンスパイクというピ鉄のピンが出ているタイプのシューズが、磯・テトラ・ゴロタと全てのエリアで滑りにくいです。
持っていて便利なアイテム
1]リュック型簡易クーラーバッグ
磯では、両手がフリーで使えることが大切です。地磯では本当に重宝するアイテムです。
2]ロッドスーツ
ロッドにリールとラインを通した状態で収納できるロッドスーツ、リュック型簡易クーラーバッグ同様に、両手が使える点でおすすめです。
3]クーラーボックスの自作ひも
大きなクーラーにロープを編み込む肩ひもも便利です。何かあったときに肩ひものロープをほどいて、非常時に使えます。
磯の注意点
磯で海が荒れ模様になったとき、天候が回復していく最中のウネリは、潮位が高くなります。
基本的に移動性の高気圧が来る場合には、朝一に大シケ状態でも昼にはベタ凪になることが多いですが、注意したいのが、足の遅い移動性高気圧です。こんな高気圧の場合は、波が上がることは少ないですが、全体的に潮位が上がることも多く、ウネリが落ち着く前に潮位が上がって大きなウネリに成長してしまう事も多いです。

曇天の天候から強い東風が吹き始めると、一気にシケ上がるから気を付けよう。
このシチュエーションでのシケ上がり方は、とても早いのが特徴です。上空にあった低圧部に風が吹き込んで、一気に低気圧に成長するのも1つのパターンです。いきなり、吹き始めた強い西風も、かなり危険です。
さいごに
いかに危険な場所で、かつ全ての責任が自己責任で行われる「磯の釣り」であることが、ご理解できたのではないでしょうか。
しかし、磯で掛ければヒラスズキやカンパチ・ヒラマサ・ブリなどの魅力的な魚を釣ることができ、夢のあるフィールドであることは間違いありません。
こんな「磯」を楽しむ為にも、こんな危険がある、どんなものを準備する必要があるのか、安全に楽しんで頂けるように「磯と向き合う」ことをテーマにまとめてみました。
磯の怖さや装備をひとつずつ覚えて、経験を積みながら、徐々に難易度の高い磯を攻めてくださいね。
経験豊富なベテランの先輩方と一緒に行くと得るものは大きいですので、ぜひ、「磯」での釣りをたくさんお楽しみください。