日本では「タイ」と名のつく魚が200種類以上も棲息していますが、本当の意味での同じタイ科に属するマダイの仲間は、クロダイ・チダイ・キダイなど、ほんの十数種に限られています。
釣りをする人なら、誰もが一度は釣ってみたい海釣りにおける最強のターゲット「マダイ」。
先日、オフショアにて「イワシ」をメインベイトとして捕食していると思われるマダイとカンパチが釣れたので、今回、「マダイの捕食する餌」について書いていきます。
まず・・
マダイの生態
水深20〜200m程の沿岸で根周り・岩礁帯などを小さな群れで遊泳しています。
同じ場所に長期間居着くことは少ないですが、稀に磯などに居着き、そこで大型になる個体もいたりします。
春から初夏にかけて、岩礁帯の浅場に産卵し、幼魚は水深50m以内で冬を越した後に、浅場で活発に捕食しながら成長し、やがて深場へ移動していきます。
1歳で約18cm〜20cm、2歳で約25cm、4歳で約40cm、さらには、もっと成長して全長1m(重量10kg以上)以上まで大きくなり、寿命は20年とも40年ともいわれています。
強靭な噛み砕く歯を持つマダイ
硬いものでも簡単に噛み砕くマダイの上下のアゴには、上2対、下3対の犬歯、側方には大型の白歯が二列になって並び、小魚や甲殻類、貝類などをいとも簡単に噛み砕いてしまいます。
その比類なき「噛み砕きパワー」で、釣りバリを曲げたり、折ったりします。
マダイが捕食している主な餌
食性はエビ・カニといった甲殻類の他に、貝類・イカ類・イワシ・イカナゴなどの小魚も好んで捕食します。
マダイの遊泳層は、基本的に水温が安定していて餌も豊富な海底付近が多いですが、春はまだ底潮が冷たい事もあり中層まで浮いてくる事もあります。
大型になればなるほど、魚食性が強くなる為、小魚を追って表層まで浮上してきます。
【甲殻類】
釣り餌としても使われているサルエビやサイマキ、スジエビといったエビ類はマダイの大好物です。
他にもカニ類やアミ類なども重要な餌となっています。
【多毛類】
マダイは、イワイソメ(イワムシ)やゴカイなどの多毛類もよく捕食しています。
地域によっては、イソメ類を特効餌として使用している漁師もいるほどです。
【小魚】
大型に成長したマダイは、コウナゴやイワシ、アジといった小魚も積極的に捕食します。
さらには、サンマやタチウオなどにも果敢に襲いかかって、頑丈な歯で噛み砕き捕食します。
【イカ・タコ類】
イカやタコなどもマダイの大好物です。
実際に、小型のイカはマダイ釣りの好餌としても使われ、実績も非常に高いです。
マダイの釣り方
日本の釣魚を代表する人気ターゲットだけに、各地の海に適合した様々な釣法が考案されてきました。
メインに狙う場所は深場になる為、船釣りで狙うのが一般的ではありますが、潮通しが良くて水深のある磯や堤防なら、投げ釣りやカゴ釣り、ルアーなどで陸から狙う事も可能です。
カゴ釣り、投げ釣り、シャクリ釣り、コマセ釣り、ジギングなどが主な釣り方で、漁師たちの間で伝統的に行われてきたのが、「ビシマ釣り」などがあります。
ビシマ釣りは、ビシマイト(オモリを数珠状に連結したミチイト)で、速い潮流の中でも軽量なカブラを自然な動きでフォールさせてくれるのが特徴です。他にも瀬戸内海のフカセ釣り、長崎県のウキ流し釣り、鹿児島のガッサイ釣り、伊豆半島のまきこぼし釣りなど、独特の釣法が多いのがマダイ釣りなのです。
今回のマダイとカンパチの釣果については、餌ではなく疑似餌(ジグ)で釣る事ができました。
タイラバやタイカブラ、インチクといった疑似餌を海底に沈めてゆっくり引いてくるだけのシンプルな釣りでマダイを狙う事ができますが、今回のポイントでは小魚を捕食しているマダイをターゲットにしていたので「メタルジグ一本」でアクションを変えながらマダイとカンパチの2種をゲットする事ができました。
マダイ釣りにおいて、まずは「捕食している餌」を把握する事が釣果を大きく左右するポイントになるでしょう。
といっても、、実は、特にベイトを意識してなくても釣れたりしますけどね。
皆さんのターゲットとしているマダイは、何を捕食してるでしょうか。