季節は春。寒い冬から徐々に切り替わる早春期に、河川で見られ始める特徴的なベイトといえば、稚鮎や子ボラなどの極小ベイトフィッシュが見られます。
これらのベイトが本格的に河川内へ入り出すと、フィッシュイーター達は活発に捕食活動を始めます。鹿児島市内の河川では、早春–晩春を中心にその現象が見られてきます。
今回、ご紹介するのは「稲荷川」。鹿児島市内では、中規模河川となる稲荷川ですが、満潮時は水深も浅く、際立って変化の見られない河川です。フラットフィッシュを中心に、チヌ・シーバスなど様々な魚種が潜んでいる比較的釣りやすいエリアです。
春の時期、これらフィッシュイーターが格好の餌としているのが「バチ」!
バチパターンが成立する春の稲荷川攻略を下記しましたので、ぜひ春の稲荷川でのルアーフィッシングにお役立てして頂ければ幸いです。
バチとは・・?
バチとは、いわゆるイソメやゴカイなどの多毛類のベイトで、春の時期になると、産卵の為に土から抜け出して泳ぎ回ります。この状況を「バチ抜け」と言います。エリアによってその時期は若干のズレがあるものの春の稲荷川でもこの現象が見られるので、それに伴う狙い方が必要になります。
バチの特徴:
⑴遊泳力に優れない
⑵流れの弱い場所に溜まりがち
⑶常夜灯下などの光に集まる性質を持つ
稲荷川【バチパターン攻略法】
バチの特徴からバチのいそうな場所を探しましょう。ワンドや流れの合流点、流れが複雑化している淀みなどに泳ぎ回るバチを確認できればチャンスです。
まず覗く
夜、最河口部に架かる橋の上から河川を見渡して、覗いてみましょう。
水面にうじゃうじゃとバチが湧くような状況で、ボイル音など聞こえたり、シーバスのチェイスや反転が確認できれば、流れが絡むような場所だったらどこでも高確率でフィーバーします。
河口部の右岸側にある遊歩道は、潮位が下がれば河川の河口部まで歩いて行けますよ。トイレもあるしね。
潮位
基本的には、大潮の最満潮時からの下げ時を狙う事をおすすめします。
バチ抜けは一回では終わりません、潮動のある大潮時を中心に数回のサイクルでやってきますので、何サイクルかでバチ抜けパターンがやってきます。
ルアーチョイス
強く水を噛むような波動の強いルアーよりも、フローティングミノーよりもサスペンド系の細身のルアーをおすすめします。各メーカーからバチパターン対応ルアーが出ていますので、チェックしてみましょう。
フローティングのローリング系アクションにも
食ってきたりすることもありますよ!
ポイントチョイス
具体的な場所は、皆さんが足で探す事がベストでしょう。アップから流れてくるバチを捕食しているシーバスは、「流れ」に付くことがほとんどです。橋だけの明暗部に気を取られがちですが、光が届かなくなるようなダウンの薄暗い明暗部も要チェックで、明るいところでバイトするよりも暗いところでバイトしてくる個体の方が圧倒的に多いのが特徴です。
「暗」と「流」が重要ファクターですね!。
アクション
基本的には、ルアーを流れに任せるようにトレースしていきます。ルアー自体には執拗なアクションは与えず、流れにのせて流していくイメージで、リトリーブスピードはデッドスローです。
浮遊するバチをイメージしましょうね!
橋の常夜灯が届かなくなる暗部をアップクロスにルアーをキャストして、ラインスラッグのみを巻き取る程度にスローリトリーブで狙ってみるのも良いでしょう。
釣れる魚は?
いろいろな魚が狙える河川ですが、稲荷川のバチパターンで釣れる事の多い魚といえば、「シーバス・チヌ・マゴチ」の3種が多いです。
クサフグもヒットしてしまうことがありますが、ワームが頻繁に切られたりするようであれば、ポイントを少し変更してみた方が良いかもしれませんね。
その他、稲荷川ではウナギなども釣れるようですが、かなりレアだと思います。
まとめ
春に稲荷川で釣れる魚はいかがでしたでしょうか?同じ鹿児島市内の河川でも、バチ抜け時季は微妙に異なり、それぞれ変動します。
春の一大イベント「バチ抜け」が、皆さんの身近な河川でも始まっているかもしれません。ぜひお近くの方は、「稲荷川」へ足を運び、その瞬間を逃さないように、春の開幕戦をスタートさせましょう。