「トンビのようなエイ」という意味が込められ、養殖アサリやカキなどの二枚貝を大量に食い荒らしてしまう大型のエイ、その名もナルトビエイ

 

しっぽは非常に長く、横に伸びたひし形の肉厚な体型と茶褐色の体色で、時に水面を跳び上がり激しい着水音を立てて、釣り人を驚かせる大型のトビエイです。

 

近年では、養殖業者を悩ませるナルトビエイを食用加工品やカバン・財布などに有効活用されています。

 

そんなナルトビエイを今回、実際に釣ってエイヒレを使ったみりん干しを作ってみて、筆者流のナルトビエイの釣り方捌き方味付けなどをご紹介します。

 

そして・・その食味はどのようなものなのか検証してみました。

 

ナルトビエイが増えている原因

 

 

近年、大型のサメ類が減っているといわれている一方で、エイ類の増加が危惧されています。中でも、特に増加傾向にあるといわれている「ナルトビエイ」の増えている主な要因としては、捕食者である大型サメの減少と温暖化による水温上昇といわれています。

 

 

ナルトビエイを釣る

 

 

まず、原料となるナルトビエイを確保しなくてはならない。。

 

ということで、まだ朝晩の肌寒さ残る3月下旬、ナルトビエイが跳び回っているという噂の漁港にやってきました。

 

 

 

 

ルアータックルしか持っていないので、仕掛けは普段使っているシーバスロッドにフロロリーダー10号二重掛け結び+タマン針を直結して・・板オモリを巻くという至ってシンプルなセッティングです。

(板オモリを使う理由としては・・単にガン玉も天秤もなかったから・・)

 

 

 

餌はキビナゴを丸掛けします。

 

貝類を主食にしているナルトビエイの餌にキビナゴを使うのは、少し不安もありましたが「死んだアジにも掛かった」という同行者の話を信じて、ぶっこみ釣りを始めます。

 

フグとゴンズイの猛攻に心が折れそうになること約二時間程経過し、あきらめて納竿しようかと帰宅準備をしていると・・

 

 

置き竿したリールのドラグが

 

ジジジジジジー

 

 

慌ててロッドを掴み、合わせると

 

 

この走りは!!

 

エイと確信したものの・・「どうせアカエイだろ・・」とやりとりしながら同行者と語っていると・・・

 

あがってきたのは・・・

 

体長1m超えている立派な本命であるナルトビエイ

 

 

 

 

エギング用のギャフでランディングは大変でしたが、なんとかナルトビエイが釣れました。

 

 

*釣り上げた時の様子が気になる方は・・こちらでご覧ください↓
漁師の天敵「ナルトビエイ」をみりん干しにしてみた【前編】

 

 

ナルトビエイを捌く

 

 

アカエイなどのヒレと比べて厚みのあるナルトビエイのヒレは、可食部が多いので煮付けやから揚げもできそうです。

 

それにしても・・片ヒレ3㎏くらいあるんじゃないか・・ってくらい重い。。

 

 

 

それでは、今回持ち帰ってきた「ナルトビエイ」のヒレの軟骨を除去していきます。

 

まずは・・表皮のヌメリを落とすためにエイヒレ全体に塩を塗して、タワシで擦ります。

 

 

 

 

きれいになったところで、真ん中の軟骨を切り離していきます。

 

 

 

 

まず切りやすいサイズに切ります。

 

(後々、調べて判明しましたが・・皮を剥ぐ時にヒレの先端の薄い部分を切り落としておけば良かった・・と後悔します)

 

 

 

真ん中の軟骨に沿って、表面から切ります。

(この時は、そのまま切断しましたが、先に薄い部分だけは切り落としておくことをおすすめします)

 

アカエイと比べてナルトビエイのヒレは分厚いです!

 

 

 

 

表面を切ったら、続けて裏面を切ります。

 

裏側は更に分厚く、肉厚!

 

 

 

 

ここで前述したように、ヒレ先端の薄い部分に苦戦したので「切れ目」を入れて皮を剥ぐことにします。

 

 

 

 

カワハギのように剥ぎ難い皮を、プライヤーを使いながら剥ぎました。

 

(エイの皮を剥ぐのは・・結構・・大変・・)

 

 

 

 

こんな感じです・・

 

 

 

 

全て皮を剥ぎ終わったら塩水に軽く漬け込んで、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。

 

 

 

漬ける

 

 

水気をしっかりと拭き取ったら、下味となるおなじみ醤油・みりん・酒ひと煮立ちして、冷まします。

 

今回は1:1:1の割合でシンプルに下味を作ります。

 

 

 

ジップロックにエイヒレを入れ、一晩漬け込みます。

 

 

 

 

次の日の朝まで冷蔵庫でお休み。。

 

 

干す

 

 

翌朝、だいぶ味が浸み込んだようです。

 

(この時点で美味しそう・・)

 

 

 

 

キッチンペーパーで水気を拭き取り・・・

 

 

 

 

ネットに入れて天日干しにします。

 

 

 

 

 

幸いなことに、この1週間の天気予報はずっと晴れマークで、乾燥する日が続きました。

 

 

 

 

 

3日後

 

 

3日前と比べると・・カチカチに固くなり、真っ黒の色をしています。

 

これは・・もう食べごろなのでは?

 

 

 

 

3日も干すと、エイヒレの筋が激しく浮き上がり、珍味っぽさが際立ちます。

 

 

 

 

速く炙って食べてみたいので、七輪を準備して・・

 

 

炙ってみます・・

 

 

 

 

 

 

食べやすいサイズにハサミで切ります。。。

 

 

 

 

 

 

炙ってみると・・・

 

 

 

 

何だ・・

このいいニオイ!?

 

 

 

 

 

 

とてつもないイイニオイを発しています!

 

 

貝のような・・

 

 

スルメのような・・

 

 

ウナギのような・・

 

 

とにかく食べてみましょう・・

 

 

 

もぐもぐ・・

 

 

 

 

 

 

なんだこれ・・

 

 

 

うますぎる!

 

 

めちゃくちゃ・・うまいです!

 

 

 

 

想像していたよりも柔らかく、うま味が強いです。

 

 

お酒のつまみにドンピシャの食感です。

 

 

いや、間違いなくお酒に合いますね!

 

 

何かに例えるとなると・・

 

貝に近いです。 おいしいです!

(これは個人的な感想ですけどね・・)

 

 

 

【他の人の感想・・】

筆者以外の人にもエイヒレみりん干しを味見してもらいました。

初めて食べるほとんどの人には好評で、イカ・貝・カメノテ・ウナギなどの味に近いという感想を頂きました。

ただ、居酒屋などで普段から食べ慣れている人からすると・・「魚(カツオ)」に近いという意見が多く、おそらくエイの種類の違いによるものではないかと推察します。

(ナルトビエイのヒレは肉厚で可食部が多いので、ヒレの薄いアカエイなどと比べて食感が変わったのかもしれません)

 

その時の動画はこちらからどうぞ↓
漁師の天敵「ナルトビエイ」をみりん干しにしてみた【後編】

 

まとめ

筆者自身もエイヒレを食べること自体が初めての経験でしたが、
それを捌いてみりん干しにして食べるまでは、正直、
それほど美味しいものではないと予測していました。
食べてみると、、いままでリリースしていたことが
勿体ないくらい(大げさですが・・)美味しい食材でした。
可食部が多いので、次回は、から揚げや煮付け、刺身などにも
挑戦してみたいと思います。

釣り人にも漁師にもやっかいものとされる「ナルトビエイ」。

みなさんも機会があれば、
エイヒレのみりん干しをお試しいかがでしょうか。

 

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