真冬のターゲットとして知られるメバルは、長い間、冬のルアーゲームの対象魚として不動の地位を築いてきました。愛くるしい目に、まさにロックフィッシュと言わんばかりのボディシルエット。
メバルって小さな体からは想像もつかない程の強烈な引きで、トルクフルな走りを魅せてくれるよね。
最近では、大型メバル(でかメバルと呼びましょう)は、数が激減したのか、求めてみたところでそう簡単に釣れなくなってしまった感は否めません。
しかし、でかメバルは、まだまだ居ます。
場所やタイミングが違うだけの話で、これから大きなメバルを狙って獲る為に「でかメバル攻略」をまとめてみました。
根本的に狙い方が違う「でかメバル」
メバルとマアジの大きな違いは、その個体数にあります。
■アジとメバル
基本的にフィッシュイーターになるメバルは、食物連鎖のピラミッドでいえば、間違いなく総数が少ない魚になります。これはもう一方の人気ターゲットであるマアジと比べた時の話です。
そのアジは食物連鎖でいえば最底辺に近く、弱い魚は身を守る術が無い為、数にモノを言わせるのが自然界の掟。
メバルとアジを比べた場合、それだけの個体数が違うので、ルアーに当たってくる確率も、飛躍的に上がってくることになります。
■大きな魚
大きなメバル「でかメバル」を求めた場合、普通の狙い方をしていてもなかなか出会えることは難しいですよね。
ルアーフィッシングのメジャーなターゲットであるシーバスを例にとっても同じ事が言えます。シーバスの場合、ランカークラスの80㎝を超える群れからゲーム内容や、狙っていく為のタイミングが大きく変わります。
さらに、90㎝を超える超大型クラスになれば、居るところも、居る時間もまるで違いますよね。それ相応の動き方をして魚との距離詰めていかないといけません。
メバルも同じく、30㎝を超えるような大物はシーバスで言えば、それこそ90㎝クラスとほぼ同じとみて良いのではないでしょうか。大きなメバルは、やってくる場所も、入ってくる時期も、産卵から帰ってくる時期も違う上に、付いている場所も違います。
シーバスがそうであるように、メバルも大きい個体になると全く違う動きを取り始めるので、それに合わせてリンクする必要があるのです。
「でかメバル」の接岸は早い
大きな魚ほど早く来て、遅く帰ります。
■メバルの種類
「でかメバル」の接岸時期を考えると、メバルを4種類に分けて生活パターンが違います。
・クロメバル ・赤メバル ・青メバル ・金メバル
ただ、ショアから金メバルが釣れる場所が少ないので、今回、回遊型のクロメバルに焦点をあててみます。
これこそが、皆さんが狙っている「でかメバル」に他ならないからです。
■砂地タイプと回遊タイプ
これらのメバルで何が違うのかといえば、ショアライン沿いにやってくる時期が微妙に異なります。シーズンの序盤はクロメバルの回遊型から始まりますが、やってくる順番は次のようになります。
①深場から上がってくる上礁回遊型のクロメバル
②回遊型のクロメバル
③渡りタイプのクロメバル
④赤メバル
深場から上がってきつつ、ショアの地形に沿って回遊してくるメバルは大きいサイズのものが多いのが特徴です。群れは27㎝以上のサイズで構成されている事が多いですが、注意点が一つあります。
この深場からの上礁回遊タイプが出てくるのは、全体的な水深でいえば、浅くても深くても砂地と磯で形成されているエリアです。
岩礁地帯だけになると、順番が・・
①居着きタイプのクロメバル
②渡りタイプのクロメバル
③普通の回遊タイプのクロメバル
・・と、順番が入れ替わる傾向にあるようです。
しかしながら、このあたりの特色は地域によっても微妙に違うので一概には断言することはできません。
■時期
上礁回遊型が現れるのは、本格的に寒入りが始まる11月中~下旬頃から、早い年にはこの頃に水深のある堤防回りや磯場にも入ってきます。
磯の場合は、ひと潮分くらい遅れる事も多くて、居心地の良いところには足を止めますが、それでも移動が早いのです。
尺サイズの魚は入ってきても3~5日程で居なくなってしまうほどです。
「でかメバル」は、意外にも早くやって来て、釣り人が動き始めたころには、終了していることも多いですね。
「でかメバル」の付き場
地形に寄り添って回遊してきて、地形に身を寄せるのが「でかメバル」です。
■砂地タイプと回遊タイプ
全体的に浅いポイントでは、回遊タイプの大型との遭遇率は少なくなります。
浅場続きなら夕方のマズメ時を中心に見られることは多いですが、デイゲームでは手の届く範囲にいることが少ないです。
デイでも狙えるようなポイントでは、磯の中でもごく限られた狭いエリアに集中していることが多いでしょう。
逆に、足下から7~8m・10m近い水深の場所なら日中は、その近くのボトムや地形に寄り添っているような感じで、反転捕食してガンガン当たってきます。
表層に近いところを回遊してくる回遊型や渡りタイプは、ここまで強烈な急浮上から反転捕食は行いませんので、ここですぐにどのタイプのメバルか判断できるでしょう。
表層の回遊型と上礁回遊型の根本的に違うところは、表層回遊型は潮に寄り添って定位するレンジがコロコロと変動していきます。
そのレンジの移動幅は10m以上にもなったりします。
ただし、これは潮が効いている時のみで、潮が完全になくなってしまうと堤防の壁やつなぎ目の穴へと一斉に入ります。
本来は根魚であるメバルです、その性質を反映するのも大型上礁回遊型の特徴といえるでしょう。
■潮壁の中
海峡などに多い強い潮の中に入っている特大メバルもいます。
この手のメバルは、潮の緩むタイミングが捕食タイムとなるでしょう。
潮止まり前後が狙い目で、それ以外は口をなかなか使ってくれません。
潮流の「でかメバル」を狙おう
強い流れ、潮のつなぎ目の中に「でかメバル」はいます。
■短い時合
海峡などに代表される潮流れの速いエリアでは、ぶつかってくる潮の渦や湧昇流の中に、特大でかメバルが出てくる事が稀にあるそうです。
このクラスの同じ場所に居るメバルは、完全にスレてしまっている事が多く、狙う時間帯は、その潮が緩む潮止まり前が良いでしょう。
■ピンのフォール
この流れの強い場所では、「フォーリング」でアプローチする事をおすすめします。潮の強さに応じてルアーウェイトはもちろん、キャロなどでもきれいに流し込んであげることがバイトに繋がります。
うまく流れと同調すれば、すぐに答えは出ます。
今回、焦点を合わせた大型メバルの攻略でしたが、いかがだったでしょうか。
上礁回遊タイプは、回遊でありながらも根魚としての特性を大きく残すタイプのメバルになります。
「でかメバル」は、ほぼ間違いなく、深いレンジには、早い時期に、既に差し込んできているでしょう。
普段見えないボトム回遊を、ぜひ仕留めて「でかメバリング」をお楽しみください。